2015.04.09
『緊張すると花粉症が止まる』という話を聞かれたことがある方も多いと思います。
この「緊張すると花粉症の症状が止まる」というのは事実であり、医学的にも証明されています。
この事実には「アドレナリン」が関係しています。
花粉症のメカニズムは、以下のようになっています。
①花粉が体に入り、抗原提示細胞(樹状細胞、マクロファージ)が異物として認識するとTh2細胞が作られる。
②Th2細胞が情報伝達物質(インターロイキン4)を放出してB細胞に伝える。
③B細胞がIgE抗体を作り放出する。
④IgE抗体が肥満細胞に結合し、肥大化する。
⑤花粉が新に侵入してくると肥満細胞に結合しているIgE抗体に次々と結合して、ついにはヒスタミン等の化学伝達物質を大量に放出する。
⑥ヒスタミンは血管拡張、血管透過性、炎症作用を持つ物質です。毛細血管の透過性が増して血管から水分がしみ出し、粘膜からは粘液が分泌され、大量の鼻水になる。
そして、そのヒスタミンの働きを止めてしまうのがアドレナリンなのです。
アドレナリンは、緊張した時や怒った時に出てくるホルモンです。ですから緊張したり強いストレスを感じるとアドレナリンが出て、花粉症の症状が止まってしまうのです。
特に、集団で強いストレスを感じるような事があると、花粉症が一時的に止まる事があります。
アナウンサーやタレントも、TVの本番中はその症状がピタッと止まり、放送が終わるとまた症状が出ることがあるようです。本番中は緊張してアドレナリンがどんどん分泌されるので、症状が止まっているわけです。
花粉の侵入経路ですが、従来は目や鼻の粘膜からと考えられておりましたが、近年の知見によると乾燥肌等のスキンバリアの弱い肌も侵入経路になっていることが明らかになってきています。
近年の研究により、アレルギー全般において経皮感作が指摘されており、医学的見地からもスキンケアの重要性が指摘されています。
(株)構造機能科学研究所
代表取締役 鈴木正夫