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心・スキンシップ・根源的な感覚「触覚」

2017.11.17


表皮と脳は、ルーツが同じ外胚葉である(皮脳同根)ことから、表皮は心と密接に結びついています。「皮膚は露出した脳」とも表現される所以です。
皮膚は自己と社会が直接接している境界ですから、境界で起こる感覚、すなわち皮膚感覚による認識は、無意識のうちに心の深いところに記憶されています。

皮膚は脳と密接な関係があるため、たとえば「手を温めると心が温かくなる」、「がさがさしたものに触ると心も荒れてくる」ことなどもわかっています。
また、スキンシップの効果として、脳内で作られる「オキシトシン」(ペプチドホルモン)という物質が出やすくなることが研究で解っています。
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このオキシトシンは「絆ホルモン」とも呼ばれ、愛情の関係を深めたり、ストレスを軽くしたり、情緒を安定させる働きがあります。
オキシトシンは、触れられた子どもだけではなく、触れる親の方にも分泌されます。

このようなことから、社会の諸々と初めて接する乳幼児の心身健康な成長には、スキンシップが重要であると言われています。

弊社のRIMスキンケア化粧品の開発においても、スキンシップの重要性を考えて創製しましたので、私が製品紹介をさせていただく際には「RIMスキンシップケア化粧品」とも表現したりして、スキンケアを通してスキンシップもしていただくことをお勧めしています。

スキンシップとは、表皮と表皮の触れ合い「触覚」を通して心を交流することです。
今回はこの「触覚」について、少し掘り下げてみたいと思います。

赤ちゃんの五感の中で発達が最も早いのは「触覚」です。
触覚は妊娠10週頃から、自分の身体や子宮壁に触れる行動が見られて、学習が始まっていると言われています。

赤ちゃんの視力は、新生児では0.03程度しかありませんので、身近にあるものを知るために触れたり舐めたりすることによって、自分自身と外界との関係を学んでいきます。

このことは、脳科学によっても裏付けられています。

「光を見せたとき」「音を聞かせたとき」「指に振動を与えたとき(触覚を与えたとき)」の 3つの場合の脳活動が測定されています。
その結果、触覚刺激のときは、側頭部から頭頂部にかけての広い領域で脳活動が見られ、視覚や聴覚の刺激に比べてずっと広い領域に及んでいることが確かめられています。
その領域は、成人が触覚情報を処理する感覚野を超えて、その周辺の領域や視覚野・聴覚野などにまで広がっています。

このことから、生まれて間もない赤ちゃんは物事の認識を肌で感じて根源的な記憶としている可能性がありますので、スキンシップは重要と考えています。

以前の記事で、今年の7月に開始した国家プロジェクト「アトピー性皮膚炎への早期介入による食物アレルギー発症予防研究」における被験対象が、生後7週~13週(日齢42日~90日)までの赤ちゃんであることをご紹介しました。

この臨床研究は、アレルギーの起点が「経皮感作」にあることを実証していくものでありますが、生後間もない赤ちゃんが対象であることから、免疫と根源的な識別感覚である「触覚」との関係についても注目しています。

(参考:触楽入門-はじめて世界に触れるときのように、日本赤ちゃん学会理事長・小西行郎先生講演、他)


(株)構造機能科学研究所
代表取締役 鈴木 正夫

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