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感銘を受けた講演・エコチル調査@子どもたちの明日のために

2016.10.21


10月13日、けいはんなイノベーションフォーラムにおける基調講演・小西行郎先生(注1)の「赤ちゃんの不思議を研究する」を拝聴して、深い感銘を受けました。

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胎児の動態やどの段階でどのような学びをして現世に誕生し、その後の人生にどのように影響するのか!?

多くの人は、限られた自分の知識や経験の範囲の中で価値観をもち判断していますが、その多くは赤ちゃんの意思に反していることなど、知識偏重の現代人に警鐘を鳴らす内容であり、全ての人に聞いていただきたい講演でした。

私は、学びを体学(免疫)・心学(感情)・知学(知識)の三分類して捉えています。この学びの内容と時系列の整合性が、心身の健全性に重要と考えています。

私はアトピー性皮膚炎等アレルギーを皮膚の窓を通して追究していますが、アレルギーが特に乳幼児に増えていることから、胎児における体学(免疫)と出生後の経過に注目しています。

尚、小西行郎先生は以下にご紹介する「エコチル調査」の京都ユニット副センター長も務められています。

子どもたちが、すこやかに成長できる地球環境を未来に残すにはどうしたらよいのでしょうか!?

このような観点から、環境省による子どもの健康と環境に関する全国調査「エコチル調査」(注2)が、2011年にスタートしています。

妊娠中からの化学物質をはじめとする様々な要因が、子どもの健康に及ぼす影響(アトピー性皮膚炎等アレルギーなど)を胎児期から小児期の影響が残る13歳になるまで、約10万人、13年間の長期間にわたって追跡調査を行います。

アレルギー等の慢性疾患については長期間にわたる疫学調査とエピジェネティクス(注3)の観点からの追究が必要ですので、本調査によって潜在化している問題点が浮き彫りになってくるものと思われます。

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(注1)小西行郎先生
同志社大学赤ちゃん学研究センター教授、日本赤ちゃん学会理事長、エコチル調査京都ユニット副センター長、兵庫県立リハビリテーション中央病院子どもの睡眠と発達医療センター長、小児科医

(注2)エコチル調査(エコチルはエコロジー&チルドレンを短縮した造語)

・コアセンター:(独)国立環境研究所
・メディカルサポートセンター:(独)国立成育医療研究センター
・研究拠点:全国15のユニットセンターと約300の医療機関

(注3)エピジェネティクス(epigenetics)
DNAの塩基配列の変化を伴わないで細胞分裂後も継承される遺伝子発現あるいは細胞表現型の変化を研究する遺伝学。
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(株)構造機能科学研究所
 鈴木 正夫



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