2016.10.15
今週は、大隅良典先生のノーベル生理学・医学賞受賞で日本中が沸きましたね。
私もこの分野の一端にいる者として、とても嬉しくお祝い申し上げます。
何が嬉しいかと言うと、同胞であることはもちろんですが、お人柄がとても魅力的であるということです。
人が成せる業は、人柄が育むことと思っていますが、大隅良典先生のお言葉をお聞きして改めて実感しています。
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また、私が大隅先生のノーベル賞受賞を嬉しく思う理由はもう一つあります。
それは、研究に取り組む姿勢「誰もやらぬ分野に取り組む」が似ていることです。
細胞内と皮膚表面という違いはありますが、「必要と不要の選別」と「不要と思われていたものを再利用する」という「オートファジー」のメカニズムは、私がスキンケア製品開発の基礎とした「超分子機能」に似ているように思えます。
私たちの体は、食べ物を材料にして、新陳代謝によって成り立っています。
多くの研究者は、新陳代謝の「新」に目を向けるのに対して、大隅先生は細胞内の不要になったたんぱく質「陳」に目を向けて「オートファジー(自食作用)」のメカニズムを発見されたことに感銘を受けました。
「オートファジー」のメカニズムにおいて注目したいる点は、不要になったたんぱく質のみを選別してその周りに膜ができて包み込み、その膜内でのみたんぱく質がアミノ酸に分解されていることです。
必要なたんぱく質と不要なたんぱく質の選別機能や特定の物質のみをマトリックス化して、そのエリア内のみに特化した機能発現を可能にしている分子間相互作用の「神業」には、すごいという言葉しか見つかりません。
私は、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)において、従来は皮膚表面の「皮脂膜」は「陳」なるものとして洗って除去することが清潔と考えられてきていましたが、私は適正な皮膚常在菌(善玉菌)が棲む「皮脂膜」を生かすことこそがスキンケア(皮膚の健康)の基本と考えています。
「皮脂膜」は、スキンバリの要として異物・雑菌・紫外線(※)等の人体にとって有害なものから護る砦の役目を果たすと同時に、表皮細胞の正常な新陳代謝を助長しています。
従来、皮脂膜は洗浄料で洗ったら取れてしまうことが常識になっていますが、汚れを選別して除去する選択洗浄機能と皮脂膜の補充強化を同時に実現する科学・技術として「超分子」の応用を追究して開発したのが「RIMソープ」です。さらに、皮脂膜を補充強化する製品としてRIMエモールを開発し、「RIMソープ&RIMエモール」のセットをRIM超分子スキンケア基礎化粧品として13年前に商品化しました。
尚、「RIM(リム)超分子スキンケア」は、特許庁から登録商標として認定されています。恐らく、「超分子」が用いられた世界初の商標と思います。
(※)紫外線を皮膚に浴びることによって、免疫の強化や雑菌の殺菌、骨を丈夫にするビタミンDが体内で合成されるなどの有益な面がありますので、過度なUVカットは健康に対してはマイナスです。
(株)構造機能科学研究所
鈴木 正夫