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※赤字の日はお休みさせていただきます。
私の専門は生体脂質科学です。
その延長上に、皮膚生理分子科学があり、スキンケア&化粧品があります。
脂質科学の研究対象のひとつがチョコレートでした。
ということで「チョコレートの科学」について過去にアップした記事に追記して、再度ご案内をいたしますのでご笑覧ください。
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【チョコレートの美味しさの秘密「カカオ脂の結晶構造】
チョコレートの主な成分は、カカオ豆から取ったカカオ脂とカカオマス、砂糖です。
カカオ脂には、融点の異なる6種類(I~VIの結晶)が存在します。(※)
…続きを読む…
各融点は、I型 17.3度、II型 23.3度、III型 25.5度、IV型 27.3度、V型 33.8度、VI型 36.3度です。
最も美味しいのはV型の結晶です。
V型の結晶は、口に入れた時にとろりと融けて、特有のうまみを醸します。
V型の結晶を作るには、テンパリング(温度調整)を行います。
1.チョコレートを45~50度に加熱して融かす
2.いったん25~27度に冷やして固化する(III型)
3.30~31度まで温度を上げる(III型⇒V型)
V型のみを作るにはかき混ぜる操作も重要です。
V型の結晶は、数ヶ月経つと最も安定なVI型の結晶に変化して、チョコレートの表面に「ファットブルーム」と呼ばれる白いカビのような粉ができます。
食べるとざらざらして、口の中に何時までも残り、まずくなってしまいます。
ですので、チョコレートは美味しいうちに食べましょう!
(※) 一定の物質から複数の結晶を発現することを多形現象と呼んでおり、カカオ脂は多数の結晶を発現する代表的な例です。
余談ですが、バレンタインチョコの結晶を調べれば、本命チョコ・義理チョコの識別もできるんです。(笑)
(株)構造機能科学研究所
鈴木 正夫