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※赤字の日はお休みさせていただきます。
弊社では、お客様から色々なご質問をいただいております。
今回は、その中からセッケンとお肌についての質問をご紹介いたします。
<質問>
セッケンは肌に優しいといわれていますが、メーカーによって全く違います。
なぜですか?
<回答>
一口にセッケンと言っても、セッケンのベースとなっている脂肪酸の種類や処方、製法、添加剤の有無などによって肌への優しさが著しく異なります。
今回は、脂肪酸の種類との観点に絞って解説いたします。
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セッケンは脂肪酸のK塩あるいはNa塩です。
セッケンの皮膚刺激性は、脂肪酸の炭素数によって著しく異なることが明らかになっています。
セッケンの皮膚刺激性は、炭素数18(オレイン酸、ステアリン酸)と16(パルミチン酸)の脂肪酸では殆どありませんが、炭素数12の脂肪酸(ラウリン酸)で最大になることが多くの実験で実証されています。
なぜ、脂肪酸種により皮膚刺激性が顕著に違うのでしょうか?
この点の理解には、分子間相互作用(分子間の会話)の理解が必要ですので簡単にご説明いたします。
分子はそれぞれ『固有の言葉』を持っており、接近すると『言葉』を交わします。
その結果、次の3つの作用に分類できる関係を結びます。
①仲良し分子間相互作用:良き仲間として集合しようとする関係/秩序(相平衡)を維持しようとする関係
②仲悪分子間相互作用:良き仲間に入り込んで暴れてバラバラにしてしまう関係/秩序(相平衡)を乱す関係
③無関心分子間相互作用:良き仲間に無関心で影響力を及ぼさない関係/秩序(相平衡)に影響しない関係
このように、分子の関係も、まるで人間同士のような3つの関係が成り立っています。
このような観点から、本題のセッケンとお肌の作用についてご説明します。
オレイン酸とパルミチン酸は、スキンバリアの要である「皮脂膜」の主成分です。従って、オレイン酸とパルミチン酸をベースとするセッケンは、皮脂膜との親和性が高い(仲良し分子間相互作用)ので皮膚表面に留まって過度な脱脂はしません。皮膚に残留しても皮膚が有するアルカリ中和作用によって脂肪酸になり皮脂膜に同化して刺激源にはなりません。
一方、ラウリン酸のセッケンは、皮脂膜の脂肪酸種とは異なるために皮脂膜を乱して(仲悪分子間相互作用)すべてを取り去ってしまいます。また、分子が小さいために皮膚内部に浸透して細胞間脂質も取ってしまい皮膚の乾燥を惹起します。さらには、タンパク質変性作用による細胞毒性もあることが報告されています。
このようなことから、ラウリン酸のセッケンは残留すると皮膚刺激源になるために、肌に残らないよう洗い流す必要があります。
ラウリン酸セッケンについては、以上のように問題点が提起されているのですが、泡立ちが良く、製造が容易であり、安価であることなどから多くの洗顔料等化粧品に利用されています。
尚、ラウリン酸よりも炭素数が少なくなるに従って皮膚刺激性が弱くなる理由は、皮脂膜に対する親和力も低下して影響力を及ぼさなくなるためです(無関心分子間相互作用)。洗浄力も弱くなりますので炭素数10以下の脂肪酸はセッケン等洗浄料としては使われません。
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※RIMソープの成分は、皮脂膜の主成分である炭素数18と16の脂肪酸をベースとして、洗浄と保護保湿を同時に実現する超分子に創製しており、ラウリン酸を含んでいません。
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(株)構造機能科学研究所
鈴木正夫