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※赤字の日はお休みさせていただきます。
ウイルスは、遺伝子構造の違いに基づいて、DNAウイルスとRNAウイルスに分類されます。
ウイルスの構造は、DNAまたはRNAのどちらかが、タンパク質でできた殻(カプシド)に包まれている構造を基本としており、一部のウイルスはさらに脂質でできた膜(エンベロープ)に包まれています。
自然界には多種類のウイルスが存在していますが、遺伝子(DNA・RNA)の違いや遺伝子が1本鎖であるのか2本鎖であるのか、さらにはエンベロープの有無などによって7つに分類されています。
[ウイルスの分類]
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①2本鎖DNA、②1本鎖DNA、③2本鎖RNA、④1本鎖RNAプラス鎖、⑤1本鎖RNAマイナス鎖、⑥1本鎖RNA逆転写、⑦2本鎖DNA逆転写
[エンベロープの有無による主なウイルス]
・エンベロープウイルス:新型コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ヘルペスなど
・ノンエンベロープウイルス:ノロウイルス、アデノウイルス、ロタウイルスなど
因みに、コロナウイルスは、1本鎖RNAプラス鎖をゲノム(遺伝情報)としており、エンベロープを有するウイルスです。
ウイルスのサイズは、細菌が光学顕微鏡(普通の顕微鏡)で見ることができる大きさなのに対して、電子顕微鏡でないと見ることができない大きさ(約20~300nm)です。コロナウイルスは100~120nm、インフルエンザウイルスは80~120nmです。
一方、細菌は約1~5μm(1μm=1000nm) 、カビや酵母は約5μm 以上の大きさなので、ウイルスは微生物と比較して著しく小さいことが解ります。
<ウイルス理解の主なキーワード>
■DNAウイルス
DNAウイルスは、多くの場合、細胞の中の核に移行して宿主のDNA複製酵素(DNAポリメラーゼ)を使って自らのDNAを増やします。複製の酵素は宿主に依存しています。
DNAウイルスのほとんどが二本鎖からなっており、増殖の過程で生じたDNA複製ミスをお互いの鎖同士のエラーチェック機構で修正するため、変異が少なく長期間安定しています。
■RNAウイルス
RNAウイルスは、RNAを鋳型としてRNAを作る酵素(RNA依存性RNAポリメラーゼ)は宿主が持っていないため、ウイルスはそれを作り出す配列情報を自ら持っています。この配列情報に基づいてRNAポリメラーゼが宿主細胞内で作られ、これを使って複製します。
RNAウイルスのほとんどが一本鎖であるため、DNAウイルスのようなエラーチェック機構がなく、変異を起こしやすいといえます。
■エンベロープとは
エンベロープとは、一部のウイルス粒子に見られる膜状の構造のことで、その大部分が脂質から成っています。宿主の細胞内で増殖したウイルスが、宿主細胞の細胞膜や核膜をまとって外に飛び出すことによって形成されます。表面にはスパイクとよばれる糖たんぱく質の突起があり、宿主細胞への侵入などに重要な役割を果たします。脂溶性のため、アルコールや石けんなどで処理すると容易に破壊することができます。このため一般にエンベロープを持つウイルスの不活化が、エンベロープを持たないウイルスに比べると容易です。
■コロナウイルスの要点
・ゲノム(遺伝情報)が「1本鎖RNAプラス鎖」であるため、変異を起こしやすいと考えられます。
・コロナウイルスは、エンベロープを有するため、消毒用アルコールや石けんなどでの不活化が容易です。
・変異しやすいため、ワクチンが完成したとしても効果は期待できない可能性があります。
新型コロナウイルスが急増しています。
この季節にGoToを続ける限り、全国に拡散し増加することは間違いありません。
ウイルスのことを正しく知って、自分の身は自分で守る「セルフメディケーション」を心がけていただきたいと思います。
(株)構造機能科学研究所
代表取締役 鈴木 正夫