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※赤字の日はお休みさせていただきます。
前回の記事で「氏(遺伝子)より育ち(環境)」ということについて述べましたが、今回は、育ち(環境)の原点に位置する、胎児を育む環境「羊水」の成り立ちについて概述いたします。
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1.羊水の成り立ち
羊水腔を包んでいる膜を卵膜といい、3つの層からなっています。内側から順番に羊膜、絨毛膜、脱落膜です。
妊娠初期には、羊水は主にこの羊膜と、絨毛膜からも少しずつ分泌されています。
成分は主に、羊膜からにじみ出るお母さんの血漿や、細胞の新陳代謝が始まる前の皮膚を通してにじみ出た赤ちゃんの血漿などが含まれます。
中期以降は胎児が嚥下と排尿を繰り返して作られます。
赤ちゃんは羊水を飲み込みますが、成分は食道から消化管で吸収され、腎臓でおしっことなって外に出ます。おなかの赤ちゃんの腎機能は未熟ですが、おしっこを作って外に出すことを繰り返すうち、腎臓もだんだん発達するのです。
赤ちゃんは、羊水を飲んでおしっことして出していますが、妊娠中期以降になると飲む量がふえるのでおしっこの量もふえ、羊水の成分の多くはおしっことなります。
妊娠後期には、1日に200~500mlも羊水を飲んで1時間に25ml前後の尿を出すので、1日で羊水の約半分が赤ちゃんを通して入れかわることになります。
また、腎臓や気道、消化管などから分泌される成分も羊水に含まれ、赤ちゃんの発育や発達を促す働きをしています。
羊水を飲んでいるので羊水の中に混ざっている胎脂などが蓄積されお腹には少しづつウンチ(胎便)がたまって行きます。
羊水が濁っていることを、羊水混濁といいます。
赤ちゃんは、お腹の中ではウンチをせずに、お腹から出て初めてウンチを出します。これが初の便になる訳ですが、中にはお腹の中でウンチを出してしまう赤ちゃんもいます。
それが羊水を濁らせる結果になるのです。破水が起こったときに羊水が混濁していると、赤ちゃんの具合が悪くなっているサインなので、分娩を急ぐことがあります。
次回は「羊水の物理的・化学的性質」についてご案内いたします。
(株)構造機能科学研究所
鈴木 正夫