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花粉症(8):アレルギーの始まりは(感作)「いつ」「どこ」から?

2016.05.07


アレルギーの始まりは(感作)「いつ」「どこ」から?

この疑問に対する回答としてこれまで諸説あげられてきておりますが、先進国における近年のアレルギー増加の理由としては、科学的な論拠が不明でした。
…続きを読む…


この疑問の謎解きとしてクローズアップしてきているのが先の記事でご紹介した制御性T細胞(略称Tレグ)です。

免疫細胞といえば体内に侵入した異物や細胞を攻撃する細胞集団ですが、誤った攻撃を止める細胞があり、それがTレグです。このTレグが上手く機能していれば、感作を受けることもなくアレルギーを発症することもありません。

感作は「いつ」「どこ」からの問いに対して、従来は、主に「乳幼児期」に「腸」からと考えられていました。

しかし、「旧茶のしずく石鹸」の大規模なアレルギー発症事件が起きて、「大人」が「皮膚」からが実証されました。

その他の疫学調査や研究からも経皮感作が支持される報告が相次いでおり、先進国におけるアレルギー増加の感作は「どこ」からに対しては「皮膚」からが有力になっています。

そして、「いつ」からに対しては、年齢的な特定よりも「スキンバリアの弱い状態の時」に感作を受けやすいことが明らかになってきています。

さらには、食べ物等経口物は消化器官系と吸収後の肝臓において無毒化・解毒化を受けてから全身に回るのに対して、経皮侵入物質は無毒化・解毒化を受けることなくして(初回肝通過回避)血中に乗って全身に回る違いもあります。

では、腸と皮膚の免疫にどのような違いがあり、Tレグはどのように関わっているのでしょうか?

腸は、食べ物という異物を日々取り入れているのに攻撃したりしない。それは長年の謎でしたが、Tレグの存在が明らかになったことで、Tレグが免疫細胞の攻撃を抑え込んでいることが示唆されました。Tレグのおかげで栄養を体内に取り込むことができているのです。

一方、皮膚は腸のような吸収のための組織ではなく、体の組織や内臓を守る大切なバリアであり、外部から異物や細菌が侵入してはいけない場所です。従って、そこには皮膚特有の免疫細胞が存在しており、バリアが壊されれば皮膚の抗原提示細胞が非常に敏感に反応します。

本来は異物が入り込んではいけないはずの皮膚からアレルゲンが入ると免疫細胞は臨戦状態になり、その異物を攻撃対象として戦いをしかけます。免疫は、その異物を攻撃対象として記憶し、その結果アレルギーを発症します。
皮膚では攻撃を止めるTレグは少ししかありません。

この腸と皮膚の免疫システムの違いが明らかになってきたことから、アレルギー予防のために大切なこととして、ロンドン大学のラック博士は次のように述べています。

『アレルゲンが腸から入るか、皮膚から入るか、それはアレルギーになるか、ならないかを決定づけるレースなようなものです。
先にその異物を腸から吸収できれば、攻撃を止めるTレグが作られ、体は異物を受け入れる。
でも、もしその異物が皮膚から先に入ってしまえば、私たちの免疫は異物を攻撃対象として記憶する。そして、アレルギーになってしまう。
つまり、腸からいち早く入れるようにする。それこそがアレルギーの予防を可能にする大きなカギだと考えられます。』

(株)構造機能科学研究所
 鈴木 正夫

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