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※赤字の日はお休みさせていただきます。
健康な皮膚表面のpHは4.5~6の弱酸性であり、この弱酸性を発現しているのが皮脂膜成分の脂肪酸です。
皮脂腺から分泌される皮脂を脂肪酸酸性に醸成しているのは、皮膚常在菌であり、腸の健康の基本が常在菌の整いにあるのと同様に、皮膚の健康においても常在菌が重要であることを皆様に認識していただきたいと思います。
前回は、皮膚表面のホメオスタシスに関連して、人体の各部位のpHについてのQ&Aをご紹介しました。
今回はさらに関連するご質問と回答をご案内いたします。
<質問>
妊娠率にpHが影響しているという話を聞きましたが、どういうことでしょうか?
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<質問>
妊娠率にpHが影響しているという話を聞きましたが、どういうことでしょうか?
<回答>
前回、人体の各部位は、それぞれの機能に則して特定のpHに保たれていることをご説明しました。
ところが、pHが酸性からアルカリ性に一時的に変化する生命現象があります。
それは、以下に紹介する、受精の舞台を演出する男女のpH適応のメカニズムです。
女性器のpHは、性的快感の無いときには、雑菌から守るために酸性(pH:3.8~4.5)です。
一方、精液は弱アルカリ性です(pH:7.2~8.0。塩基性のアルギニン等による)。
したがって、精子は酸性の環境に弱く、腟内では長く生存することはできません。
腟内の精子は射精後約30分で急速に運動性が失われ、受精能力が低下します。
このようなpH不適合を防止するための機能が男女共に備わっています。
<男性>
射精する直前に、弱アルカリ性のカウパー腺液(尿道球腺液)が放出されて、酸性の尿道と膣内をアルカリ性にします。
<女性>
精液の受け入れ側の女性は、男性より複雑です。
女性器の分泌液は、大別すると、膣口から分泌される「酸性のバルトリン腺液」と子宮口から分泌される「アルカリ性の子宮頚管粘液」の二種類です。
酸性のバルトリン腺液は、肛門等からの大腸菌など雑菌の繁殖を抑えるのに有効である反面、アルカリ性の精子に対しては悪影響を及ぼします。
一方、アルカリ性の子宮頚管粘液は、性的興奮により分泌が活発になって腟内はアルカリ性に傾き、精子の活動が盛んになって受精を実現します。
このように、生命誕生の場面においても、pHが重要な役割を果たしています。
(株)構造機能科学研究所
鈴木 正夫