構造機能科学研究所 ~お肌の健康と美容に「RIMシリーズ」~

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治療から予防へ 2. 「予防医療を目指して40余年」

2019.12.27

私の専門は「脂肪酸系脂質の分子科学と生理作用」であり、応用として目指してきたのがアレルギー等の「予防医療」です。
これらの研究は、多数の大学との共同研究で行ってきており、構造機能科学研究所の設立メンバーになっていただいています。

以下に、私が行ってきた主な研究をご紹介します。
…続きを読む…

【脂肪酸系脂質の分子科学】
多形現象、立体配座(conformation)、動力学(dynamics)、集合状態、超分子科学、界面科学、自励発振現象、磁性流体など

【脂肪酸系脂質の生理作用】
アレルギー、ガン、動脈硬化、副腎白質変性症(adrenoleukodystrophy;ALD)、経皮吸収、栄養、味覚、嗅覚など
脂肪酸系脂質は、タンパク質と並ぶ生体骨格物質であり、三大栄養素でもあります。

【成人の骨格構成成分】
水(59%)、タンパク質(18%)、脂肪酸系脂質(18%)、ミネラル(主に骨3.5%)、糖質(0.5%)、その他(1%)

生体における脂肪酸系脂質の主な役割は、細胞膜・皮脂膜などの生体膜の形成と生理作用です。

脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大別されます。
生体膜を形成している主な飽和脂肪酸がパルミチン酸(融点62.9℃)であり、生体膜の屋台骨のような存在です。
そして、主な不飽和脂肪酸がオレイン酸(融点α型:13.3℃、β型:16.3℃)であり、生体膜の柔軟性・物質輸送・自励発振など物理化学的機能発現の根幹を成しています(文献1)。

オレイン酸は、「血中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を下げるが善玉コレステロール(HDLコレステロール)は下げない」という選択性を有しており、オレイン酸を高濃度に含むオリーブ油が人気になっています。

その他の膜形成不飽和脂肪酸としてはリノール酸、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)があります。

リノール酸は、アラキドン酸カスケードという重要な生理活性物質産生における起点になっている脂肪酸であり、アレルギーとも関係の深い脂肪酸です。

EPAは、「血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを下げる脂肪酸」として薬にもなっています(エパデール/持田製薬)。

DHAは、脳や網膜、精液に含まれる主要な脂肪酸です。
脳内に存在する脂肪酸では最も多く、EPAは殆ど存在していません。

ラットの動物実験によると、DHAは脳関門を通過できるが、EPAを含めた他のω-3脂肪酸は脳関門を通過することができない可能性が示唆されています(文献2)。

また、ヒトのモデル細胞実験で各種脂肪酸によるDHA取り込みに対する阻害効果が検討されており、リノール酸、アラキドン酸、EPAによって阻害されるが、オレイン酸では阻害されないという報告がされています。
従って、DHAは脂肪酸選択的な輸送機構を介して脳内に取り込まれていることが示唆されています(文献3)。

脂肪酸の生理作用にについては、後日ご紹介いたします。

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※文献1:鈴木正夫、脂肪酸の構造物性と機能、界面ハンドブックp1043-1054(㈱エヌ・ティー・エス/2001)
※文献2:高橋尚子、「ラットにおけるn-3およびn-6系多価不和脂肪酸の生理作用に関する研究」、学位論文(東北大学/2008)
※文献3:友廣岳則ら、「健全な神経発達の為に新生児の血液脳関門がもつ機能性脂質供給ルート解明と投与設計、挑戦的萌芽研究(富山大学/2008-2009)


(株)構造機能科学研究所
代表取締役 鈴木 正夫


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